知り合いの主婦さんから頂戴した数学の質問が興味深かったので、先日Twitterで共有しました。



「なぜ2は素数なの?」

なるほど〜

2は半分に割れると思えるので素数っぽくない気持ちも分かります。さらに「1を除くなら、2も除いてもいいんじゃないの?」といった意見もいただきました。これにも思わず

なるほど〜

と思いました。確かに例外は除きたいですもんね。

今日の話題はこれではないので、この話の回答集はツイートのリプライ等をご覧ください。





本日は同じ主婦さんからの別の質問を紹介したいなぁと思います。主婦さんの質問は次の通りです:

「水面がちょうど0で、水面より上がプラスで、水中がマイナスのイメージなの。もしそこから水深が10m上がったとしたら、10だった所が0になるけど、これでもいいの?」

kouji_ganpeki


ん〜なるほど?


僕は最初、シンプルに

「10を改めて0と考えることはできます」

と答えました。基準となる高さを決めるのは自由ですし。

でも、何か納得していない様子でした。話を詳しく聞いてみるとこんな疑問に辿り着きました:

「まっすぐに並んだ数があって、その中のどれを0と思ってもいいの?」


なるほど。


すべての数が0になり得ると思うと確かに変な感じがします。この質問は「数とは何か」特に「0やマイナスの数とは何か」について再考させられるいい質問だなと思いました。

あと、僕は主婦さんの「まっすぐに並んだ数がある」という視点が気になりました。おそらく数直線のイメージなのでしょう。

その用意された数直線の目盛りを自由にスライドしてもいいのだろうか?



もし良いのなら、最初に与えられた数は一体何だったのか?

疑問の根源はそこなのではないかと思ったので、僕は「整数の構成」について話してみました。

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そもそも数というのは、最初に「0」を定めて、そこから順に1、2、3…と「次の数」を決めていきます。この自然数が決まってようやく-1、-2、-3…という「負の数」が決まります。「-2」というのは文字通り「2があってこそ、-2が存在する」んです。この過程を経て、「まっすぐに並んだ数がある」んです。

数直線ってあるじゃないですか。あれを見てると、あたかも「最初から数がすべて用意されている」ように見えますが、そうではないんです。「まっすぐに並んでいる≪何か≫」があって、その中の基準となる0を決めて、1、2、3…を決めて、-1、-2、-3…という負の数を決めてできるのが「数直線」なんです。

水面の話に戻すと、どの高さを0と決めるのは自由です。そこを基準に高さ1m、2m…が決まって、-1m、-2m…が決まっていきます。ただそれだけです。最初から数が用意されているわけではないので、0をどこにするかは自由です。

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実際の会話はもっと遠回りしていましたが、僕が主婦さんに説明した内容をまとめるとこんな感じです。その主婦さんは納得してくれたようでした。



とても楽しい数学雑談でした。

thank Q for your rEaDing.φ(・▽・ )